職務経歴を要素に分類することで他業種他職種に挑戦する方法
このコラムでは、他業種であっても経歴を要素に分類し、各要素の汎用性から他業種他職種に挑戦する方法について書いてみたいと思います。
転職の可能性を無意識に狭めているかも知れません
転職活動をする時に一番オーソドックスで簡単な方法は、同業種同職種に転職する方法だと思います。
たとえ自分の履歴書・職務経歴書で自分自身をうまくアピールできていなかったとしても、採用担当者の側で自分が表現できていない履歴書・職務経歴書上のポイントについてもある程度推察をしてくれると思います。
そして不明な点については面接において質問することで、職務経歴を理解することができます。
つまり同業種同職種であれば、履歴書・職務経歴書でのアピールがそれほどうまくなくても、面接に進む可能性はその他の場合に比べて相対的に高いでしょうし、面接の結果も相対的にポジティブなものになると思います。
ところが同業者同職種だけに絞って転職活動をしている場合、転職活動の最初の段階で可能性の入口をかなり絞った状態となってしまいます。
たとえば現在1,000件の求人案件があり、そのうち同業種同職種の案件が10あったとします。
すると転職可能性のある求人案件は10、つまり全体の1%のところからスタートしなければなりません。
全体のたった1%
もし仮に残り999件の求人案件のうち、追加で99件、合計100件の求人情報について転職可能性リストに含めることができれば、単純計算で転職成功の可能性は10倍になります。
可能性が10倍に!
そこで業種が違っても、何らかの職務上の連続性を見つけ出して経歴をアピールする方法を紹介したいと思います。
スキルを分解して転職の可能性を広げる方法
例えば現在、教育に関する仕事をしているとします。
教育に関する仕事で身に着けることができる経験・スキルとして、従事する教育領域の専門知識、コミュニケーションを主体とした教え方のスキル、複数の生徒・受講者をマネージメントするマルチタスクのスキル などが考えられます。
今回はこのうちコミュニケーションスキルに注目します。
コミュニケーションスキルはほとんどの職種で必要とされるスキルです。そのため対象となる求人情報はぐっと広くなるでしょう。
コミュニケーション能力をアピールして他業種他職種にチャレンジするきっかけを作る上で必要なことは、他業種他職種の新しい仕事で今後どうしていきたいかというビジョンを明確にすることです。
他業種他職種の転職の際に、大きく分けて二つ説明しなければならないことがあります。
過去身に着けたスキルと新しい仕事の連続性を説明する
1つ目の質問は「いままでとは違う仕事だけれど、今の仕事を辞めてどうしてこの仕事がしたいの?」というものです。
これに対してはコミュニケーション能力という点で共通点があり、今までの経験を生かせるという説明になります。
どういう今までの経験がコミュケーションスキルを身に着けるために役立ったか。困難か経験は何だった、どうやって乗り越えたかを細かく説明できるようにしておく必要があります。
過去身に着けたスキルと今後のビジョンの連続性を説明する
2つ目の質問は「この会社で新しく何を今後していきたいの?」というものです。
いままで培ったコミュニケーション能力を活かして、こういうことがやりたいですというビジョンを明確に説明できることが必要です。
今まで身に着けたコミュニケーションスキルとの連続性を維持しつつ、将来の自分の夢と可能性を熱意をもって説明できるよう準備が必要です。
もちろんそれによって会社にメリットがなければなりません。ここはポイントですので忘れないようにしてください。
会社にメリットのない熱意を説明されても、会社にとっては意味がありません。「がんばってくださいね」で面接が終了してしまいます。
うまくこの2つのポイントをクリアできれば、他業種他職種であっても転職可能枠に含めることが十分可能です。
こういった職務経歴の一貫性と将来に向けての前向きな姿勢をアピールすることができれば、転職活動において採用担当者・面接者の印象はとても良くなります。
可能性を広げるだけではなく転職の失敗の可能性を減らすことができる
どうでしょうか?初めから同業種同職種に絞ってしまうと、転職可能性はかなり低いところからスタートしなければなりません。
そして今回のケースでは対象求人案件が10件しかないので、自分で選択をするということが難しくなります。
そうなると、とりあえずすべてに応募して面接のチャンスを経て最終的に採用通知をくれたところに転職をする、という限られた選択になってしまうでしょう。
これは一見良いようですが、選択肢があまりない分、後で間違った・失敗したと思う転職につながる可能性が高くなります。
自分の経歴をスキル・経験を要素に落とし込み、その中の一つをアピールすることで、転職可能性を大きくし、その中から自分で選ぶことで納得のいく転職ができる可能性が高まります。
自分の棚卸で転職を踏みとどまることも選択肢に入る
またこれら一連の作業を行うことで、自分スキルの棚卸になります。
棚卸をすると、自分の足りない点や今の会社でさらに経験を積める点、そしてその経験を積んだ後の転職であればさらに可能性が広がるということに気づくかもしれません。
そのような可能性が見えたときは急いで転職をするのではなく、今の会社で更にスキルアップを目指すことも選択肢に入ってきます。
是非一度、自分の職務経歴を要素に落とし込んで、自分の可能性について確認してみてはいかがでしょうか。